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「妖精募金」 覚和歌子さん
2010-08-29 Sun 16:34
・・・

「あんたは昔っから詩を書いて歌ってたよ」
うん。子供のときから好きで、そういうこと。
「ちがうよ、もっとずっと昔。もっとも、あんときは、もちょい気楽に歌ってたけどな」
何それ?思わず気色ばんだ自分の声に自分でもおののく。
痛いところを突かれている。でも、あんとき、とは。
「いいさ、ただのびのびしてりゃいいってもんでもないし」
「ここ一番の時に失敗するのは性格だし」
「シロート臭いのも悪くないし」
たたみかけられて、それがいちいち普段から気にしていることなので、
聞き流すことも素直にうなづくことも反論もできずにいると、とうとう妖精は言った。
「あんたに詩とか歌とかそういうこと教えたの、俺だよ」
言われて、息が詰まりそうになった。
「あんたむかし何度か、坊さんやっててさ」
同時に私は泣きだした。そんな気がしていたのだ。
ここへ連れてこられたときから。


―覚和歌子著『青天白日』より、「妖精基金」から―




「千と千尋の神隠し」のテーマソングの作詞をした覚和歌子さんの、
この「妖精基金」のエッセイが大好きである。


「あんたに詩とか歌とかそういうこと教えたの、俺だよ」

このエッセイがというより、このくだりが。


――あぁ、やっぱり、そうなんだ。
いるんだ、そういう人が。
在るんだ、そういう存在が。
そう想うと、悲しいときもつらいときも、そっと心がやわらかくなるから。





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(2004/01/01)
覚 和歌子首藤 幹夫

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